『新・座頭市 III』第26話「夢の旅」(最終回)


原作:子母沢寛
脚本:勅使河原宏、中村努
監督:勅使河原宏
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ



座頭市勝新太郎
鼓の女:稲見美和子
追う男:大川修
古着屋の男:観世栄夫
大親分:勝新太郎(二役)
親分:松山真一
美少年:エム
不思議な面相の男:古谷欽一
飯屋の親爺:堀北幸
十手持ち:上田順也
不良少年1:谷崎弘一
不良少年2:藤田駿
不良少年3:葉田秀樹
胴元の男:清水紘治
代官所の平付:坂本長利
芸者:稲川順子
温女1:中島晴美
温女2:吉田けい子
にせ盲目になる乞食:中村鴈治郎
ほか


ある辻堂で夜露をしのいだ座頭市勝新太郎)は、朝が来て、扉の外へ出て、我と我が目を疑った。視界に朝の太陽が飛び込んできた。何たる奇跡!目があいたのだ!!頬をつねってみた。痛い!夢ではないのだ。うれしいなぁ。おてんとさんありがとう。市の首には、恨み骨髄の花輪台一家の親分(勝新太郎・二役)が、大枚三百両の賞金を賭けていた。親分は有名な美少年趣味。目があいたからには、もう按摩の格好もない。市は古着屋でパリッとした衣裳に着替えた。着古しは捨てた。旅の薬売り(大川修)が市の古着を行き倒れに着せて、市の死体に仕立て、まんまと賞金をせしめた。市は、チンピラ(谷崎弘一)に乱暴される盲目の娘(稲見美和子)を助けた。市と女の奇妙な旅は続いた。昔は人に手を引かれた市が、今は逆に人の手を引く。まるで夢のようだ!市は花輪台一家の賭場に上がった。薬売りのインチキがばれてしまった。怒り心頭の親分のイライラには、いつものように寵愛する美童(エム)の笑顔もいっこうに効き目はない。ふざけやがって!!市は、花輪台一家に両手両足を切り落とされてしまった…。