『新・座頭市 III』第14話「あんま志願」


原作:子母沢寛
脚本:高橋二三、石田芳子
監督:森一生
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
正吉:火野正平
おとわ:岩井友見
三国屋信助:浜田晃
茶店の婆さん:岡嶋艶子
旅の女:小柳圭子
ほか



多額の賞金首のかかった座頭市勝新太郎)は、道中、日本一のあんまになりたいから弟子にしてくれと、若い旅烏の正吉(火野正平)にしつこく付きまとわれた。最初、賞金稼ぎかと警戒したが、そうでもないらしい。市は正吉の機転で、再度危機を救われた。おっちょこちょいで単純で涙もろく、人の心の中に土足で踏み込んでくるような、馴れ馴れしさは市をへきえきさせたが、正吉にはどこかかわいげがあった。市は正吉の熱意に負けた。あんま師弟の奇妙な道行が始まった。正吉は、上州・倉賀野宿の酒造家「吾妻屋」の若旦那だった。一年前、姉おとわ(岩井友見)に邪恋を抱くやくざ・三国屋信助(浜田晃)を傷つけ旅に出たのだった。久しぶりに生まれ故郷へ戻ってみると、両親は信助の手にかかって非業の最期を遂げ、おとわは、宿場女郎に落ちぶれていた。飛んで火に入る夏の虫。市の首を取る前から、賞金の皮算用をして信助は一人ほくそ笑んだ。そして…。