『新・座頭市 III』第13話「鬼が笑う百両みやげ」


原作:子母沢寛
脚本:高橋二三、奥村利夫
監督:南野梅雄
撮影:渡辺貢
音楽:冨田勲
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
仙太:谷崎弘一
お絹:武原英子
お松:赤木春恵
太郎吉:山田哲郎
与太兵衛:市川好朗
代貸し白川浩二郎
弥助:暁新太郎
留吉:石津貞義
牛造:橋本和
放浪人:堀北幸
ほか


久しぶりに上州・高崎宿は新勝寺門前の明代の団子屋を訪ねる座頭市勝新太郎)は、道中、旅烏の仙太(谷崎弘一)に、用心棒になってくれとしつこく付きまとわれた。仙太はばくちで勝った虎の子の百両を懐中に、十年ぶりに生まれ故郷の高崎に、錦を飾りに帰る途中であった。街道は関八州を荒らし回る怪盗“まぼろし小僧”の噂で持ちきりだった。団子屋では市をかわいがってくれた親爺が死に、若後家の娘お絹(武原英子)が幼い息子の太郎吉(山田哲郎)を抱え、名物ののれんを立派に守っていた。父親の愛情に飢えている太郎吉は市によくなついた。日本一の大泥棒になると豪語して村を飛び出した日本一の親不孝の息子が帰ってきて、母親お松(赤木春恵)の胸中は複雑だった。懐かしいことは懐かしいが、居れば居たでハラハラさせられることばかり、単細胞のドラ息子仙太にお松は心の休まるヒマがないのだ。案の定、とんでもないことを言い出した。お絹と結婚したいというのだ。最初笑って相手にしなかったお絹も、仙太の押しの一手にはついに負けた。市は仲人を頼まれた。ところが、仙太に“まぼろし小僧”の容疑がかかる。仙太は二足の草鞋を履くやくざ与太兵衛(市川好朗)に召し捕られる。実は、何食わぬ顔をして、辰造こそ“まぼろし小僧”一味の首領。罪のない仙太に罪を着せ、逃げ切ろうという魂胆だ。あまりの悪辣さに市は…。