『新・座頭市 III』第8話「大当たり、めの一番」

原作:子母沢寛
脚本:安元莞二、奥村利夫
監督:国原俊明
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
おとよ:波乃久里子
平助:草野大悟
おみの:横山リエ
亭主:北見治一
女房:三笠敬子
勘十:深江章喜
留吉:滝譲二
行者:笹五朗
薬売り:沖ときお
ほか



座頭市勝新太郎)は、秩父の絹商人平助(草野大悟)が道中師にすられたなけなしの五十両の入った財布を取り返してやったお礼に、富くじの札を一枚もらった。“めの一番”、一等に当たれば千両だ。平助はやくざ勘十(深江章喜)一家が経営するはたご「桝田屋」に泊まった。飯盛女おとよ(波乃久里子)の一夜の情が純朴な田舎者の平助の心をとらえた。浮草のような稼業はしていても、おとよは心根のやさしい、泥沼に咲く蓮の花のような女だった。おとよの治療に呼ばれた市も、いっぺんに彼女が好きになった。おとよには百五十両の前借があった。
 一方、勘十は平助の五十両に目をつけた。おとよのからだを自由にしてやりたい一心から平助は、五十両がすぐ百五十両に増えるという勘十の甘言に乗り、ばくちに手をつけ、まんまとイカサマに引っかかり、元も子もなくした。“めの一番”が一等の千両を当てた。千両札を勝負のかたに平助と勘十の賭場に乗り込んだ市は…。