『ターミネーター3』(テレビ朝日『日曜洋画劇場』)

否定的意見が多く、評価が低い『T3』だが、オレは個人的にけっこう好きだし、悪くないと思う。
もちろん、生みの親ジェームズ・キャメロンが否定した時点で製作される必然性はない作品だったかもだけど、B級SFアクションとしての仕上がりは合格以上。クレーン車が暴走する怒濤のカーチェイス場面は近年でも出色のド迫力だったと思うし、あの場面だけでも見る価値ありでは?
個人的にはキャメロンの黒澤明じみた説教臭く、ハッタリが多く大見得ばかり切りたがる面だけは、冗長に思えてちと退屈だったりする。『T1』は低予算のおかげでコンパクトにまとまっていたが、大作化が進むにつれてキャメロンの作品は徐々にダラダラと長くなっていった。『トゥルーライズ』みたくダラダラ感がギャグとしてハマッたら純粋に楽しめるのだが、『T2』でもクダクダ感情的なセリフが多かったりして困惑したりした場面もあった。
キャメロンのように説明過剰系のほうが「悲壮感」はいや増すし、感情移入はしやすいから、彼のような作風はアレはアレで「王道」のように思うけど、オレ自身はもはや若干見ていて気疲れしたりもする。嫌いじゃないけど、少しだけ胃もたれするというか。
ジョナサン・モストウにはキャメロンの元妻のキャスリン・ビグロー、はたまたジャック・ショルダーにも通じる、語り口もスピーディで「省略」もできる、全体に引き締まった演出力を感じるので期待していたのだが、『T3』以降は残念ながら失速したようで残念。シュワが知事なんぞにならず、『T4』が実現していれば印象も変わったんじゃないだろうか?
『T4』はPV野郎のMcGという時点でちと萎えたので劇場には見に行かないが、「新三部作」とやら自体には、わりと興味あり。TVシリーズ『サラ・コナー・クロニクルズ』もチェックしてみようかな?

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