尊敬するウェブデザイナーの後輩さんが書いていた日記を無断引用。問題あったら削除しますけど。
田中久重という昔のおっさんが作った「弓曳き童子」というからくり人形があって、そいつは矢立から一本引き抜いて弓を構えると1mほど離れた的を射るというものなのだが、恐るべきは時々的を外すように出来ており、当てたときと外したときとで表情が変わるのだとか。理屈自体はそれ程厄介なものではないように思うが、命中させる事で満足せずに敢えて失敗する仕掛けを組み込む発想がすごい。
「当てたときと外したときとで表情が変わる」……うぉぉ、想像するだに、戦慄が走る。
かつて高橋洋師父にインタビューした折、師父がポーランドの人形アニメ作家ラディスラフ・スタレヴィッチの作品に宿る得体の知れぬまがまがしさを評して、
「世界の構成原理とは違う何かが、ふいに顔を出す」
といみじくも語っておいでだったのを思い出した。
……恐怖とは、まさにかくのごとき事象を呼ぶのであろう。