熊倉一雄『パンダコパンダ』(高畑勲監督/宮崎駿脚本・画面設定・原画)

雨ぞ降る。となりのトトロが観たくなる。おかしいか、オレ? そういう人、日本人ならけっこういるんじゃない? なんつっても、宮崎駿高畑勲こそ真の“国民的映画作家”なんだからして。
どこか子供っぽいオヤジたちの大暴れが愉快な宮崎駿作品*1のなかでも、オレが特に好きな一品がコレ。やたらでっかくて挙動も言動も不気味なんだけど、どうにも憎めず愛嬌あるパパンダ(すげぇネーミング!<笑)はトトロの元ネタっぽくもあり。宮崎サン本人を投影した気配もあるな。
ヒッチコックの声”こと熊倉御大の味わいの尽きない名調子、「ほほぅ、これはステキだ」(<台詞より)。子供ができたら真っ先に見せたい大傑作。今みたく梅雨の季節には、一緒にくっついてる続編『雨ふりサーカス』がピッタリ。
殺伐として退屈、平々凡々たる日常をあっけなくもカラリと覆しちゃう、オトナもコドモも観終われば幸せいっぱいな気分に浸れることうけあいなファンタジー小品。ちぃちゃな女の子がいるオカーサン方に特にオススメいたします。まだ観てないアナタは幸せだ。ボンクラ諸兄も、だまされたと思って、ぜひ。
あー、オレも目に入れたくなるほど(アニメだから実際入るンだけど)キャワいいパンちゃんに逢いたくなってきたぜ(笑)ホント、オッサンになるほど、どうぶつとか愛らしいモノが大好きになるから、困ったモンだ、いやはや。
「♪パンダコパンダ、ぱんだ」


*1:宮崎さんが脚本と画を手掛けたおかげで、イデオロギスト・高畑勲カラーは奇跡的に(?)薄くなってるかなと。オレのなかでは圧倒的に宮崎作品なのよ。