『新・座頭市 III』第24話「おてんとさん」


原作:子母沢寛
脚本:尾中洋一
監督:太田昭和
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
おりえ:太地喜和子
おとよ:中川梨絵
喜三郎:村田正雄
六蔵:藤岡重慶
おみよ:桑垣浩子
松の市:古川ロック
清助:平凡太郎
忠次:松山照夫
弥吉:二瓶正也
為造:小瀬朗
源太:暁新太郎
佐吉:野上哲也
留三:美鷹健児
回想の老母:上田恵子
ほか

いつの頃からか、その霊山に年に一度の祭礼に参詣すると、盲人の目が見えるようになるという噂が伝わり、今年も、御来迎を拝まんものと、全国から盲人たちが殺到した。講中の中には、座頭市勝新太郎)、孫娘のおみよ(桑垣浩子)に手を引かれた老旅芸人の喜三郎(村田正雄)、下級の遊女おとよ(中川梨絵)、大男の按摩松の市(古川ロック)らの姿も見られた。講宿の案内人は、おりえ(太地喜和子)という渋皮のむけた年増美人だった。市はあばずれのおりえの魂の中にキラリと光る真実を見つけた。おりえは問わず語りに市に身の上を話した。十年前、おりえはおみよのように盲目の母親の手を引いて山に来た。道中、路銀をすられてしまった。おりえは宿場女郎に身を落として費用をつくった。だが、母の目は明かなかった。母は谷底に身を投げて死んだ。自暴自棄のおりえはやくざ六蔵(藤岡重慶)の情婦になった。実は、山から金が出た。六蔵一家が盗掘していた。隠し金山は天下の禁制だ。知れたら首が飛ぶ。一家はまことしやかな霊験談をでっち上げて山を聖域に仕立て、世人を遮断、あわせて、秘密漏洩防止の対策上、講中の中から屈強な盲人をだまして監禁、盗掘に従事させていた。一家は、喜三郎とおとよを人質に取ると、市らをたこ部屋に閉じ込めた。そして…。