『新・座頭市 III』第15話「かかしっ子」


原作:子母沢寛
脚本:田中利世、奥村利夫
監督:国原俊明
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
たえ:小谷真喜子
佐吉:小林昭雄
飯屋の親爺:殿山泰司
飯屋の婆さん:日高綾子
鬼熊:大木正司
佐吉の叔父:堀北幸
佐吉の叔母:高木峰子
悪童:岡本祟
ほか

ある村で座頭市勝新太郎)は、悪童たちに「人殺し、人殺し」とはやし立てられている少女たえ(小谷真喜子)と仲良しになった。たえは口がきけない。年端もゆかぬのに、たえは、子守などをしていくばくかの生活のかてを得ながら、一人で住んでいた。たえの家で、市とたえの奇妙な共同生活が始まった。たえは、元々口が不自由なわけではなかった。両親と死別して、たえは兄の佐吉(小林昭雄)と、この村に住む叔父夫婦の家に引き取られた。叔父夫婦は心のよからぬ人間だった。美少女のたえを遊女に売り飛ばそうとした。身代金のことで、仲に入ったやくざ鬼熊(大木正司)と叔夫夫婦の間にいさかいが起こった。鬼熊は夫婦を殺した。そして佐吉に罪を着せた。佐吉は行方をくらました。ショックでたえは口がきけなくなった。たえに一生懸命に言葉を教える市。
 市の作った笛の音色で二人の会話が通じあった。苦労のかいあってたえは失った言葉を徐々に取り戻していった。そんな時、旅に出ていた佐吉が、たえに一目会いたさに村に帰ってきた。