『新・座頭市 III』第2話「冬の花火」

原作:子母沢寛
脚本:犬塚稔、奥村利夫
監督:国原俊明
音楽:村井邦彦
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
徳造:財津一郎
くみ:中村七枝子
駕籠伝:井上昭文
清二郎:井上博一
常吉:沖田駿一
ほか



盆ござの上のいざこざから栃木の勘兵衛の片腕を切り、一家の清二郎(井上博一)、常吉(沖田駿一)に追われる座頭市勝新太郎)は、道中、花火師の徳造(財津一郎)と道連れになった。赤貧に甘んじながら、新式の大玉の七色の花火の製造に文字通り寝食を忘れる徳造のひょうひょうとした人柄に魅かれる市は、宿りを取ることにした。徳造は娘のくみ(中村七枝子)と二人暮らしだ。くみは耳が遠い。原因は徳造の花火だ。心のやさしいくみは、徳造が悲しむといけないのでそれを隠していた。お互いに身体障害者同士、市にはくみのいじらしさが痛いほど分かった。星の生まれ変わりのようなくみと話していると、市の重なる旅ですさんだ心もひとりでになごんだ。仕込杖を放り出し、くみと徳造の仕事を手伝う市。ところで、一帯は悪貸元駕籠伝(井上昭文)の縄張りだ。要領の悪い徳造はいつも一家にいじめられっぱなしだった。一家に清二郎と常吉が草鞋を脱いだ。卑劣にも駕籠伝らはくみを人質に取ると、徳造を脅迫して家中に火薬を装填させた。まるで火薬の樽さながらの家に、何も知らずに市が帰ってきた!