『座頭市物語』第16話「赤城おろし」

辰巳柳太郎を迎えて、新国劇でおなじみ国定忠次ばなし。『座頭市千両首』では盟友の島田正吾が扮していた。梅宮辰夫&池玲子なんて東映不良映画のふたりが想像以上にうまく絡んで見応えがある。
カツシン演出作はやりすぎで構成が破綻してるくらいのものが逆に面白いことも多々だが、本作などは真っ向勝負で挑んでいて格調と重々しさがあっていい。誰よりも定番を知り尽くしてたというか、バランス感覚も持ち合わせてたからこそ、定型を壊したがったということ。

座頭市千両首 [DVD]

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座頭市千両首』クライマックス、若山富三郎とガチで挑んだ殺陣は何度見ても息を呑むほどすごい。池広一夫は何故にテレビシリーズではカツシンと組む機会がなかったのか…残念でならない。三隅研次とはまた違うトリッキーで見る者を仰天させるアクションが撮れる方だったと思うのだが*1

*1:たしかまだ現役だが、さすがに往年のアクションは無理と思うのであえて過去形で…