『座頭市物語』第13話「潮風に舞った千両くじ」

今年最も惜しまれる物故者のひとり、原田芳雄登場。

原作:子母沢寛
脚本:直居欽哉、原田順夫
監督:井上昭
音楽:富田勲
制作:勝プロ/フジテレビ


座頭市勝新太郎
勝浦の新助:原田芳雄
おはま:赤座美代子
お初:武原英子
五郎蔵:小池朝雄
岩松:阿藤海
辰三:沖田駿一
代官 佐上:浜田寅彦
ほか

井上昭監督は奇才/異才系で、奇抜というよりもハッキリ言えば見づらいアングルに凝ったりとか、ちょっと苦手なトコもあるのだが、本作はわりと落ち着いて見ていられた。ただ、ヘンなところでストップモーションが入ったりとか、ナメ撮りがちとウザったかったりと、ストレートではない面はやはり目につき。
原田芳雄の投げ遣りな台詞回し、やたらとぶん回しまくる殺陣とか、くすぶりまくるエネルギーみたいなのが今見てもたまらない魅力。受けに回る小池朝雄が味ありまくりなのは言うまでもないし。
演出とか芝居にややクセがあるかもだけど、いろいろ発見できる要素がある、興味深い一作ではあるか。というか、TV『座頭市』シリーズはカッチリとまとまりすぎたものより、何だかワケわからんけど凄いトコをちょっとでも見いだせるから楽しいと思うんですが。