イーストウッドは吹替で!

やるねぇ、嬉しいねぇテレ東さん! 本日は久々に地上波登場、イーストウッドドン・シーゲルの名コンビが贈る男気脱獄映画『アルカトラズからの脱出』 !
パーフェクト・ワールド』は以前のテレ東放映版ならたぶん黒沢年男黒沢年雄)バージョンだろうが、『アルカトラズ』はヤスベェ以外あり得ない! コレほどの名演をDVDに収録しないなんて、吹替文化に対する冒涜だ!

アルカトラズからの脱出 [DVD]

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故・山田“ヤスベェ”康雄イーストウッドVS納谷“とっつぁ〜ん”悟朗パトリック・マクグーハンの息詰まる対決!

とっつぁ〜ん「名前は?」
ヤスベェ「…モリス」
と「おかしいぃな? この名簿では、『フランク』・モリスとなっておるぞぉ?」

ヤスベェことルパン行くところ相棒の次元もお伴するわけで、イーストウッドを助ける黒人囚(ポール・ベンジャミン)として小林清志もしっかり登場!
いつにも増した凄みあふれるダミ声で随所美味しくキメまくり、ボンクラ魂鷲掴み!

次元「本は読めるのか? ぼうや」
ヤスベェ「英語の本ならな、ぼうや

次元「せっかくやってきたのに、ここに腰掛けねぇ理由はふたつにひとつだ。臆病風に吹かれたのか、黒人が嫌ぇかだ。
どっちだ、ぼうや? ブルッてきたのか? うン?」
ヤ「いぃや。黒人が嫌ぇだからだ」
(フン、と鼻で笑う次元)
ヤ「ほんとに脱獄したやつはいねぇのか?」

以下、次元(<違うって!)の長セリフ!

「成功したやつはいねぇ。ここの連中は誰もが望んでるが、手立てがねぇんだ。看守たちを見ろよ。ほかのムショじゃ囚人7人にひとりだが、ここはその倍以上、囚人3人にひとりのワリだ。
クソの時間が朝から夜に変わってもあやしまれる。独房だから仲間も誘いにくい。しかもがっちりした独房だ。鉄格子はほかよりひと回りも太いし、ばっちり溶接してある。カギもとんでもねぇ所についてやがる。
地盤が固ぇからトンネル掘るのは無理だ。ちくしょうめ、島全体が岩でできてやがるんだ。
それにあの海よ。対岸まで1.5キロしかねぇが、潮が速ぇから15キロぶんはある。おまけに水が冷てぇから、5、6分で手も足も動かなくなっちまう。たとえ泳ぎきる力があっても、対岸まで泳ぎきるだけの時間がねぇ。毎日点呼が12回もありやがるからだよ。
ここじゃ年がら年中、数えっこよ。それが何十年も続く。おれたちは時間を数える。看守はオレたちを数え、所長はその看守たちを数えるんだ……」

フジテレビで数年前に放映されたバージョンではドク(ロバーツ・ブロッサム)の凄惨なる「決意表明」の場面が細かくカットされてしまっていた。たぶん、今回もカットされてしまうだろう。とりあえず、ヤスベェと次元&とっつぁんのやりとりの場面は極力カットされていないことを祈る。。。
追記。チェックした。残念ながらドクの決意表明場面はフジテレビのように肝心のところを微妙に削除。さらに、イーストウッドがその後、ドクが遺していったものを箱に入れ、それを看守に「おぃッ! しっかりつけとけよ!」なんてドスきかせて言う名場面がなかった。編集担当、わかってねぇなぁ(嘆)
その代わり(?)、リトマスがチャーリー・バッツに「アル・カポネだ」とウソの自己紹介をするジョーク場面が復活(?)されていた。個人的に、回数で一番多く見たのは、かつて日本テレビの『金曜ロードショー』で放映されたヴァージョンなのだが、この際はリトマスとバッツのからみのシーンはたしかカットされていたように思う。ほかにも細かいツナギのカットで、記憶にないシーンもあったりしたが、やっぱり自分の記憶に定着しているヴァージョンが末永く放映されることをファンとしては切望する。
なお、ヤスベェと納谷悟朗の初対決の場面は、記憶では納谷さんの威圧感たっぷりの演技が増幅されてしまっていたらしく、それほどもってまわったセリフの物言いはしていなかった。
、、、なお、この場面でモリスは所長が持っていた爪切りのひとつをチャッカリ盗むハズなのだが、デスク上に2個あったようには見えないのだが、、、ちょっとしたミスなのかな?? 囚人各人に支給されているといった設定ではないようだし。