『新・座頭市』「静かなくらし」「祭りばやしに風車」

時代劇専門チャンネルで最近は毎週日曜午後、2本立てでやってる『新・座頭市』をチェック。
今回は特に2作ともいい話だった。星川清司御大脚本の「静かなくらし」、石橋連司・萩尾みどり競演の「祭りばやしに風車」というエピソード。
どっちも座頭市がヤクザ者を改心させるという筋立てで、心あったまる。
特に「祭りばやしに風車」という回は勝プロ常連俳優でもあった石橋連司が珍しく(?)悪役ではない。酒を飲み交わしながらの演技の応酬、付き合いも長いふたりのこと、呼吸といい間合いといい、見応えがあった。
この回については、別冊太陽「「勝新太郎」追悼特集号で石橋氏と監督の田中徳三氏が共に語っている。
TV「座頭市」シリーズでは、いつもはやりたい放題なカツシンも、大映以来のベテラン監督と組む際はやや控えめな印象がある。
特に、田中監督の回は「遊び」の要素は少なめなのだが、「祭りばやしに風車」では特例で台本なしで挑んだみたい。ドラマの筋立ての中にカツシンの即興演技をうまく組み込めたようで、かなりいい出来映え。さすがは伊達に「カツライス」と最も多く仕事した人だけある! いよッ、カツドウヤ! と感心したのでありました。
ちなみに、田中監督がカツシンと組んだのはコレが最後だったようだ。有終の美を飾れたようで何よりであります。