セルフ・パロディでシメ。

ゴッドファーザーPARTIII』がなぜか放映中。公開された当時は狂喜乱舞して見に行き、周囲から悪口を云われるたびフォローしたが、今はそんな気になれない。
ハワード・ホークスが歯牙にもかけなかったり、蓮實重彦がけなしたりしたので、一般映画ファンには名作と誉れ高いこの一大巨編
三部作も、日本のコアなシネフィルの間では評価が低かったりする。『ゴッドファーザー』で映画狂になったオレとしては許し難いのだが、『PARTIII』だけはたしかに、、、ひどい(笑)全部、セリフパロディにしか見えない。『PARTII』でいぶし銀の巧演を見せたロバート・デュヴァルが出演してさえいてくれたら、多少はマシになったんじゃないか、とも思わないでもないが……無理か。
もっとも、本作以後のコッポラは小品ながら手堅い演出を見せるようになる。本作で過去の自作を徹底して自己模倣したことで、たまりたまったウミを出し切ったのだろうか? いずれにせよ、『地獄の黙示録』以降続いたスランプが本作を境にふっきれたように見える。そんな意味では駄作であれ、愚作であれ、コッポラにとっては区切りの一作となったといえよう、まる。