ポルトガルVSオランダ

W杯史上でも記録上最悪、4人の退場者が出るという荒れまくりの泥試合!
審判はロシア人だったが、初盤からイエローカード乱発。たしかにキツい当たりは多かったものの、出し過ぎもいいところ。前半はまだしも、後半、時間が進むにつれ、ピッチ内は緊張のあまり両軍ヒートアップ、審判はそれを裁ききれぬまま退場者が続出、後味悪い試合内容となってしまった。。。
オランダは死のリーグを突破できた疲れが蓄積していて連係がバラバラ、先制点を決められて焦りまくり、得意の幾何学的パスワークや的確無比な寄せもできないまま、実効なきミドルシュートを乱射するなど、気負いだけが空回り。

ポルトガルは攻守の要コスティーニャ(<ちょい久保似)を退場させられながらも、落ち着いてボールを支配、決定的な場面こそさほどつくらなかったが、少ない人数になってもカウンターを仕掛けて枠内シュートを何度も放つといった具合に、ゲームの主導権を握り続けた。クリスティアーノ・ロナウドが前半、ハリド・ブラルーズ*1のキツいチャージを受けて負傷退場したが、その穴を感じさせなかった、、、というより、ひとりよがりなドリブルにボールキープが多すぎるヤツが抜けたことで、かえって効率よい攻撃ができたのではないかと見たが、どうか?

今回のオランダは、ロッベンなど例外を除き、ありあまる才能を持ちながらも、所属クラブで不振な若手が多いチーム。当初は若さゆえの勢いにうまく乗れていたが、結局、若気のいたりで自壊したといった風情。
最終局面、不調とはいえ絶対的なストライカー、ファン・ニステルローイを投入しなかったのは、ファン・バステン監督の致命的ミスだったように思う。ファン・ニステルローイにとって代わりうるゴールゲッターを見つけないと、2年後の欧州選手権も厳しいだろう。
終盤、デコ&ジオと並んで、両軍で一番血なまぐさかったブラルーズもしょぼくれた姿で一緒に座ってる姿はちょっと笑った。きっとあの露助審判の悪口いいまくってたんだろうなぁ。。。

イングランドVSポルトガルもこうなったら死なばもろとも、ルーニーが鉄拳ふるってゴールに殴り込むとか、血湧き肉踊る展開を期待します!


ところで、『仁義なき戦い』の奥深さを今回のW杯でもつくづく思い知らされている。
同じ「戦い」として、映画で描かれた戦略・戦術が、サッカーにおいても、見事に応用できるのである! 偉大なり、笠原和夫!!!

仁義なき戦い』四部作のクライマックス、『頂上作戦』は、明石組の後援を受けて極悪非道、狡猾な山守組長(金子信雄)の追い出しを図る広能(菅原文太)に、広島やくざの意地を守りたい切れ者の武田(小林旭)が山守側の「参謀」となって立ち向かうという構図で展開する。
武田と広能がキーパーソンゆえ、ふたりが戦いの帰趨を決めるあの手この手の「絵図」(=作戦)を書く。よって必然的に彼らのセリフが作品のキモとなっている。

今回のゲームまで的確に言い当て、しかも対処方法まで披露しているとは! 素晴らしい!!! 

江田(山城新伍)「どうせえ云うちょるんの!」
武田「そっちらの若いもんによう云うちゃってハネっ返りは絶対せんように抑えちょってくれい。その間、わしの方で分断工作するけん」

いまだ未見だという御一党の皆様方、ぜひともこの機会にごらんあれ!
サッカーがまた楽しくなることうけあいですぜ!<危険な誘導



*1:「ハリド」なるイスラムからして、イスラム教国出身の移民だろうか? プレーは荒っぽく好みではないが、出自は気になる。