3/18(土)八木美知依&金澤美也子@大泉学園インF

hibiky2006-03-19

インFさんに行ってきました! 以下、覚え書きで恐縮ながらレポートなど。。。
演奏前、何やら謎めいた図表のような構成メモ(?)を見比べたり、打ち合わせをされるおふたり。
今日がデュオでは初競演だったワケですが、やっぱり女性同士ということで、あれこれ言い合わなくても通じるモノがおありだったのかどうか、ライヴ中もごく自然にふたりの発する音が溶け合う瞬間がいくつも聴けた気がしました。

休憩を挟んで全5曲、即興演奏。
前半はさすがに初めてのせいか、音の出し合いもどことなく様子見風、演奏姿のダイナミックさでも八木さんがリードして楽曲を奏でていく感じ。
それでも徐々に金澤さんの手数の多いピアノのフレーズが、箏の鳴りの間に徐々に入りこんでいくように聴こえてくる。

終了後、マークさんがいみじくも云われたように、根っこのところで見事に「波長が合っていた」という雰囲気。

鬼怒無月さんとの丁々発止の即興バトルが「急流の川」とすれば、今夜の金澤さんとの演奏は「打ち寄せる波」とでも云おうか。
砂浜に打ち寄せる波が激しくなったり弱くなったりしながらも、最後には海辺で白く泡立って溶け合うような、そんな情景が目に浮かび。

というわけで、鬼怒無月さんやエリオット・シャープとのデュオで感じたような「緊張感」よりも、程よいテンションは持続しているものの、全体としては心やすらぐ、リラックスできる演奏だったように思います。

後半は八木さんが、格調高く「謡」(…でよろしいんでしょうか?)をしながら演奏、それを金澤さんはノイズでフォロー。箏と謡と電子音が合わさって、なんとも妙なる世界に。
邦楽器につきまとう独特の倍音は、なぜかエレクトロニクスとも相性がいいようで。。。
そういえば、目の錯覚なのかどうか、今日は八木さんの身ごなしが鋭角的に見えて、一瞬、ホログラムを見ているように思ったことも付け加えておきます。どうしてなんだろう……?

ラスト曲、金澤さんが客席にいたデザイナーのeviさんに「お題」を要求。それを聞くやすかさず金澤さん、「○×さぁぁぁん〜♪♪♪」と驚天同地のヴォーカリゼーションを展開、たちまち独壇場に。

おかしげにそれを聴いていた八木さんも、金澤さんがノッてくるのにつられるように徐々にヒートアップ、即興デュオならではのめくるめく音空間が現出、見ているこちらも酩酊状態に!

終了後、マークさんいわく、「金澤さんの演奏はジャズのクリシェに一切とらわれない、現代音楽風、まさにフリーフォームの音楽」と評されてましたが、まさにフリーでもジャズというよりは、正しくジャンル分け不能のフリー・ミュージック。それがゆえに密度は充分に濃いながらも、聴く側も先入観などとらわれなく、自然にふたりの音に親しめたのかなぁと。

女性同士ならではの音を通じての対話/会話が、うまい具合にアヴァンギャルドな形に昇華されて、刺激的かつ包容感ある演奏になったのかもしれませんね、、、とまとめてみます。


下戸なので、インFさん御自慢の地酒を頂戴できず、残念でした。。。でも、エビスビールも梅酒も美味しかったです。
なお、画像の素晴らしいデザインのフライヤーはデザイナーの海老名淳さんが手掛けられたものです。海老名さんのデザイン集は以下のサイト↓で拝めます。
公式サイト→http://www.evina-atzshi-grafik.com/
映画ファン&音楽ファンなら一度目にしたら忘れられない出色のブツが並んでいます!