大黒屋光太夫。

大黒屋光太夫(上) (新潮文庫)

大黒屋光太夫(上) (新潮文庫)

緒方拳主演で映画化もされた「おろしや国酔夢譚」で一躍有名になった物語。実は当時は世間に認知されていなかった事実がその後郷土歴史家や研究者によって判明、その新事実や文献に基づいて、吉村昭が小説化したのが本作。
ロシアから帰国を果たした大黒屋光太夫と彼の部下・磯吉のふたりは、帰国後は江戸で幽閉生活を送ったといった風に伝えられていたが、実際は故郷へ里帰りも果たし、妻子ももうけて幸せな後生を送ったという。現実は悲劇ではなく、それなりにハッピーエンドであった。
ちなみに、わが郷里の英雄。冬でも滅多に雪なんて降らない温暖地育ちの商人が、極寒の大地で生き抜いたばかりか、よくぞ帰国にまでこぎつけたもの。驚異的事実に、ベタながらただ感動。
おろしや国酔夢譚 特別版 [DVD]

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おろしや国酔夢譚

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