Vortex+八木美知依@西麻布SuperDeluxe

hibiky2005-12-27

DELUXE CONCERT SERIES Vol. 54 “Vortex meets Michiyo Yagi” 。本年最後の八木美知依さんライヴ。1996年10月にフレッド・フリス&クリス・カトラー+一噌幸弘、それから9年ブランクが空いて今年10月鬼怒無月、11月にビリー・バング+外山明、そして先々週エリオット・シャープとそれぞれタイプが全く異なるアーティストとの競演を楽しませてもらっていて、毎回驚嘆させられてばかり。
このところ、八木さんは大体ステージ向かって左に陣取っていたのだが、今日は右端。左に永井晶子(ピアノ、アンティークオルガン、笙)、中央に武石聡(パーカッション、ライヴ・サウンド・プロセッシング)。
ラップトップ・エレクトロニクス、ライヴ・サウンド・プロセッシングを使う演奏、実は今回が初見。オモチャのラジカセはじめ小道具めいた各種パーカッションを注意深げに使い分けながら、様々なリズムに音像/音群を発し続ける武石氏の主導の元、細やかなフレーズで絡んでいく八木&永井コンビ。ヴォルテックスは武石・永井夫妻のユニットなのだが、見ているかぎりではピアノと箏に挟まれた形で武石氏が両者を巧みに誘導し、煽りたてていくような、そんな趣きだったように思う。
第一部はアンビエントエレクトロニカ風の即興が延々と2曲。全体に静かな音ながら、細かいパッセージを刻む箏と、前衛風にノイズを発するピアノが不可思議な味わいを加えて飽きさせない。中盤ではもともと打楽器奏者である武石氏がシャープなハンド・ドラムを奏でて魅了した。八木さんは例によってスティックやコントラバスの弓、スリコギ状の棒など小道具を使って、面妖玄妙、いわく云い難い音を発する。十七絃&二十絃箏は太い音も細い音も、エレクトロニカのように、繊細な電子音とも見事に融合することを発見。守備範囲が広い楽器だ。。。
第二部は一転、シンプルなドラム・キットの前に座った武石氏が素晴らしいドラミングを見せる。箏もピアノもそれに負けないパワフルな旋律を奏でて、ある意味、「スーパーサイレント風」(同行のk747さんの言)な最良のフリージャズセッションが楽しめた。終盤は静かに永井さんによる幽玄な笙の音が鳴り渡り、ここぞとばかり箏と“わびさび”あふれる「和」な音空間が現出して、静かに終了。
セット自体は短かったが、濃密で充実したライヴだった。こういう緊張感ある音を目の当たりにすると心洗われる気分。大変結構でございました!
<ヴォルテックス公式サイト>→http://home.earthlink.net/~takeishi/
日本語版→http://www22.ocn.ne.jp/~hot-jazz/vortex/japanese/vsoon2.htm

マークさんとはセット前後と合間にまたお話をうかがう。前回の競演は今回のようなインプ主体ではなく、武石氏が叩きまくり、ベースがうなるという、ある種、エスニック・ジャズ風演奏だったそうな。それもまた見てみたい! 今回もジャズ談義は同行のk747さんにお任せする感じに。スミマセン、オレ、リスト作成するばかりで実際に音源やアーティストが追いかけられてなくて。。。(汗)
※追記:マークさんからありがたくもリハーサル写真を御提供頂きました! 少し小さくなって恐縮ですが、12/26・27分にそれぞれアップさせて頂きます。ありがとうございました!