成瀬巳喜男生誕百周年。

フィルムセンターの上映スケジュール。
http://www.momat.go.jp/FC/NFC_Calendar/2005-09-10/nittei.html
大半の作品は昔見てるけど、ほとんどプリントボロボロ状態だったからなぁ。玉井正夫氏のキャメラが素晴らしい『鰯雲』とか、選んで見に行くかなぁ???  
フィルムセンターは上映環境としてはかなりイイんだけど、寄ってくる人種が正直、肌に合わない。オレみたいなヤツばっかだから(しれッ)…ウソです、オレは映画ヲタだけどいわゆる<映画獣>では全然ないし、大体、この2年は映画館に数回しか行ってないし。じいちゃんばあちゃんが弁当パリパリ広げて、「デコちゃん綺麗やね〜」なんてほのぼの見てるような雰囲気だとイイんだが。で、オレはその横でアンパン食ったり、キャラメル舐めたりしてるという。
ちなみに、ボクの個人的な成瀬ベストワンは女の中にいる他人です。次いで、乱れ雲』『鰯雲』『浮雲『めし』杏っ子てなあたり。ちゃ〜んと主演女優別になってるのがオツなモンだろ、むふふ。そこらのエセシネフィルにゃあできねぇ芸当でぃ! 
デコちゃん主演作は多すぎるのであえて外したりするんだが、その中なら『乱れる』が成瀬初体験作なんで思い入れはありあり。『稲妻』『妻として女として』『あらくれ』でちょうど10本カウント。邦画では最愛の監督だけに、成瀬は好きなのが多すぎ。あー、『秋立ちぬ』『晩菊』『おかあさん』『はたらく一家』『歌行灯も入れたい!
ちなみに、「成瀬は作品によってクオリティにばらつきがある」って知ったかぶりな感想批評する輩がいるけど、ひと昔前の三流映画ガイドからの受け売りだったりするから無視してよろしい。そんなモン、成瀬に限ったこっちゃねーよバ〜カ! 小津溝口にもクズありじゃろて。
例えば、リュミエール叢書「成瀬巳喜男の設計」あたりをちゃんと読んでからモノは語りましょう。

成瀬巳喜男の設計―美術監督は回想する (リュミエール叢書)

成瀬巳喜男の設計―美術監督は回想する (リュミエール叢書)

……しかし、成瀬百年にあてこんで、またぞろ阿部嘉昭みたくシネフィルゴロが駄本出してやがって目障りこのうえねぇなぁ。阿部嘉昭みたいな「てにをは」も揃わねぇ悪文、平然と読めるってだけで不思議なのに、さらに賞賛する向きがあるなんて、正直、呆れを超えて、寒い。
映画作家本人や作品に関する証言や資料にあたる前に、第三者の批評ばかり読む向きを今さら非難はしないが、世の中には成瀬について、もっと先に読むべき文献があるとだけは言いたい。昔の映画雑誌のバックナンバーとか漁るだけで、ゴロゴロ貴重な証言が出てくるよ。
悪文にエセ教養垂れ流してバカな学生だます講師業なるなりわいでメシ食う詐欺漢に、さらにパン投げ与えるような愚行はよすがいい。どうせ投げるならパイ(シェービングクリーム製がイチオシ!)だけにしなさいとキッパリ。傍までにこやかに近寄って、顔面に「ぺちゃっ」とね。
成瀬巳喜男の世界へ リュミエール叢書36

成瀬巳喜男の世界へ リュミエール叢書36

↑こっちは読む価値ありあり。
なお、ボクが好きなのはコレ。レビューは田中真澄センセイのしか読むに足るモノはないけど、貴重なインタビューや採録が嬉しい。
成瀬巳喜男―透きとおるメロドラマの波光よ (映画読本)

成瀬巳喜男―透きとおるメロドラマの波光よ (映画読本)