キャメロン・ディアス『メリーに首ったけ』

おバカで下品で超ポップ! 
抱腹絶倒! 爆笑ラブコメ! 90年代コメディの金字塔

 「英会話のイーオン」でおなじみの美女キャメロン・ディアス。彼女が日本でブレイクするきっかけになったのがこの映画。ジャケで彼女の前髪が立っているワケを知りたくない?
 メリーって言ってるけど実はメアリー。英語の授業で習ったから常識か? それはともかく、キャメロン・ディアス扮するヒロインのメアリーは最高の美女。どんな男も彼女にはひと目惚れ。作家志望のさえない青年テッド(ベン・スティラー)も例外じゃなかった。でも、高校の卒業パーティで彼女からデートに誘われるという幸運をつかみながら、彼はなんとナニをチャックではさむという大ボケをかます! それ以来13年、いまだ彼女に恋するテッドは、メアリーの近況調査を保険調査員ヒーリー(マット・ディロン)に依頼。ところがこいつも彼女にひと目惚れ。いや奴だけじゃない、彼女に出会った男どもはみんな彼女に首ったけ、ストーカーと化してしまうのだ。それでもメアリーと再会を果たし、デートに挑んだテッドの運命やいかに……。
 「♪メリーじゃなきゃダメなんだ〜みんな彼女に首ったけ」な〜んてアホアホな歌に乗せて、抱腹絶倒、笑い過ぎて悶絶必至のギャグが炸裂。身体障害者差別や動物愛護をおちょくったネタは危険球だが、役者(+ワンちゃん)が体を張ったドタバタはどこまでも直球勝負。全場面に笑いどころが散りばめられていて、ここでは書き切れないほど。
 監督のファレリー兄弟は『ジム・キャリーはMr.ダマー』『キングピン』と快作コメディを連発する奇才。主演のベン・スティラーは『リアリティ・バイツ』『ケーブルガイ』など監督としても活躍。劇中歌を歌うジョナサン・リッチマンは知る人ぞ知るカルト系シンガー。N.Y.パンクからカントリーまで変幻自在の活動で知られる。なお、共演のマット・ディロンは撮影当時キャメロン・ディアスと交際中だったそうだ(エンドクレジットの未公開シーンで、平然とキャメロンの乳揉んでたり。なにしてんねん!)。
 主人公の社会の窓からのぞく“マメとソーセージ”、耳を触られると異常に怒るメアリーのピュアな弟、マット・ディロンかますセコい恋の手練手管、クスリで眠らされたりハイになったりと大変なワンちゃん等々のギャグの数々、とにかく見れば笑えて納得。立った前髪の秘密もね!*1



*1:※「某実話系月刊誌」(2000/07/17号)ビデオ紹介欄より無断転載。蛇足ながら、この号の映画欄ではトッド・ソロンズ『ハピネス』を紹介。当然、“ザー○ンつながり”(爆)おわかりになる貴兄はオレと同じく「映画秘宝」読者でありましょう。同志よ!(<嬉しかねぇっつの)