原体験系。

1.『ゴッドファーザー PART I&II』フランシス・フォード・コッポラ
2.『地獄の黙示録フランシス・フォード・コッポラ
3.『ダーティーハリー』ドン・シーゲルクリント・イーストウッド
4.『ブレードランナーリドリー・スコット
5.『戦場のメリークリスマス大島渚坂本龍一ビートたけし
6.『ヴィデオドロームデイヴィッド・クローネンバーグ
7.『ニューヨーク1997』ジョン・カーペンター
8.『カサブランカマイケル・カーティスハンフリー・ボガートイングリッド・バーグマン
9.『シャイニング』スタンリー・キューブリック
10.『めまい』アルフレッド・ヒッチコック

オレが育ったのは三重県鈴鹿市。田舎者だ。市内には映画館がなかった。なので、映画とはまず、TVで見るモノだった。
名古屋テレビテレビ朝日系)でやってた『日曜洋画劇場』がオレにとって映画体験の原点だ。
本格的に見出したのは特別企画のヒッチコック『めまい』から。故・淀川長治先生が、わが最初の映画の師だ。
なお、ビデオレンタルで最初に借りたのは、忘れはしない、ゴッドファーザー。近所のなじみの電気屋さん*1が片手間にやってたレンタル屋の料金はなんと当日450円! 当時1ヶ月の小遣い3,000円(泣)のオレにはかなりな出費だったぜ。
ブレードランナー』『シャイニング』は、近所の店には置いてなかった。『食人族』やダリオ・アルジェントの『インフェルノ』は置いてあったのに…なぜだ? そんなわけで、オレは電車で隣町の四日市市まで行き、駅前アーケード街にある書店・シェトワ白揚本店まで借りに行くしかなかった*2
そんな具合に、足とカネを使って借りてきたビデオは、必ず2回以上、繰り返し見た。『ブレラン』に至っては興奮のあまり、3回続けて見てしまった。
あの頃の映画体験はすべて、自分にとって切実すぎるモノだった。映画そのものへの思い入れが深かったせいか、大抵の作品は見終わった後、ストーリーから場面から、細部までほぼ完璧に思い出すことができたりした*3。上記にあげた10本は、すっかりスレッカラシになった今でも、オレにとっては映画体験の原点であり、永遠に宝物な10本だ。名作だ傑作だ、はたまた駄作かどうかなんて問題じゃない。オレにとっては、この10本が出発点となったのだ。それだけの話だが、出会いだけに運命を感じなくもない。
(つづく)


*1:清水“ブックオフ”國明に似た店主のおじさんとは幼い頃から顔なじみだった。どうでもいいし、事情も忘れたが、初恋相手のコがその店裏に住んでいた。

*2:オレが上京後、知らないうちにレンタルビデオはその店ではやらなくなっていた。

*3:後年、この記憶力を某所で6年ほど活用する羽目になったが、その体験はここでは書かない