『ER 緊急救命室』第9シーズン

夜。目下わが人生において最愛の映像劇である『ER 緊急救命室』第9シーズンの再放送第1回目。見逃していた回なのでいそいそとTVに見入る。どのシーズンも第1回目は特に意欲作をもってくる同作だが、今回は『パルプ・フィクション』風に、4人の主要キャラをオムニバスドラマ形式で見せるという趣向。内容は相変わらず文句のつけようがない高レベルなモノだが、この構成自体は今さらな観も。というのは、『ER』は『パルプ・フィクション』などよりもずっと先んじて90年代以降、世界の映像劇の最先端を走ってきた存在だから。今回に感じた違和感は、師匠が今さら弟子の真似をしてどうする、てなもん。
外国ドラマは吹替で見てこそ面白い。愚生、語学の達人以外の「字幕主義者」は信用していない。なぜって、微妙なニュアンスを把握することができずに、ドラマの真価を見極められるわけはない、と思うから。外人が日本語しゃべるのは不自然、なんて考えるのは日本人くらいなわけですし。字幕が当たり前なのは日本くらい、世界的には吹替が主流なんだよね、実際。劇場でかかる映画が全部吹替になっても、個人的には受け入れられると思う。
今回はカーターの父親役でナチさんこと野沢那智が登板。彼と冷戦中の母親役は誰じゃいな? と思ったら熟女女優の山本陽子(笑)。この顔合わせで昼メロが充分できますやん。『隣の芝生 陽子姑バージョン』みたいな。それにしてもナチさんは誰をやってもナチさん以外の何者でもないから、聞いてて笑っちゃう。べらんめぇな巻舌、サイコーです! 『ダイ・ハード』ラストでのブルース・ウィリスの絶叫、「ほぉぉりいぃぃ〜」なんてもぅ、今じゃナチさん以外じゃ考えられないもん(かつての持ち役は村野武範樋浦勉あたり)かと思うと、C-3POまでやっちゃうんだから、声優って凄いわ。「あーとぅーでぃぃーとぅー!」